Android Wear アプリ開発 センサ活用チュートリアル

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概要

青山学院大学が取り組む「次世代Well-Being」とは、すべての人々が良好な状態で生活する社会を目指し、個人に最適なサービスを提供する為にその人から取得したデータを活用する枠組みです。 情報技術を駆使することによって、従来の不特定多数を対象とした画一的なサービスではなく、個々の対象者に最適化されたサービスを提供することを目指します。

本稿では、このような情報技術発展を目的とし、Android Wear でセンサからデータを取得し、サーバに格納するプログラミングのチュートリアルを企画しました。

※ 本稿に掲載したプログラムを転用した場合の責任は負えません。


システムの構成

スマートウォッチ-BlueTooth-スマートフォン-インターネット回線-サーバ

システム構成図

システムの構成は、スマートウォッチから取得したセンサのデータを、スマートフォンを通して、サーバに送り、DBに格納するものとした。スマートウォッチから直接、インターネットに接続することもできるが、日々の生活のデータを取得することを目的を鑑み、無線LAN回線がない環境でも携帯電話のデータ回線を使って通信が行えるようにした。スマートウォッチだけでなく、スマートフォンもないとデータを取得できないが、こういった場合は少ないと判断した。スマートウォッチとスマートフォンの間は、Bluetoothを使う。

実行環境と開発環境を以下の表にまとめた。


実行環境&開発環境

実行環境開発
スマートウォッチAndroid WearAndroid Studio
スマートフォンAndroid
サーバWordPress & PHP & Javascript

プログラムの動作

各プログラムの挙動を以下の表にまとめた。

プログラム名挙動記事
bioinfo wear (スマートウォッチ)
  • スマートウォッチ上で開始ボタンと中止ボタンを表示する。

  • ユーザが開始ボタンを押した場合、定期的にセンサの値を取得する。

  • 取得したセンサの値をスマートフォン側のプログラムに送信する。

  • スマートウォッチ上の画面が消された場合でも定期実行を継続し、ユーザが停止ボタンを押した場合のみ、実行を停止する。

bioinfo mobile (スマートフォン)
  • スマートウォッチから送信されたデータを画面上に表示する。

  • 上記のデータを Internet上のサーバに送信する。

  • (このプログラムは画面がフォアグランドでなくても動作するが、×などで閉じられた場合には動作を停止する。)

post.php (サーバ)
  • スマートフォン側のプログラムからのデータを受け、DBに格納する。

  • (認証については未実装)

charts.php (サーバ)
  • Webサーバから起動され、DBからセンサデータを取得し、Charts.jsを利用したJavascriptのコードを生成し、標準出力に出力する。

  • (Webブラウザ上で Javascriptがチャートをレンダリングする。)

  • (認証については未実装)

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Android Wear センサ活用チュートリアル 1 Android Studio 準備編, 1. ANDROID STUDIOと開発用の実機を接続 & 2. ANDROID STUDIO上でプログラムの雛型作成
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Android Wear アプリ開発 センサ活用チュートリアル 1 Android Studio 準備編