情報処理心理学実習

2008年度から専修大学文学部で私が担当している, 「情報処理心理学実習」についての情報をまとめたページです. MATLAB の初心者を対象に, MATLAB を用いた認知モデルを構成するための基本的技術を学びます. このページには,シラバスと,学習補助のための情報を掲載します.

2011年度までは,LISP の学習を行っていました. そのときのページは こちら です.

2012年度から2023年度までは,MATLAB の学習を行っていました. そのときのページは こちら です.

1. シラバス

公開されているシラバスを転載します. 授業スケジュールは省略します.

2011年度までは通年科目でしたが,2012年度より, 前期科目の「情報処理心理学実習 A」と, 後期科目の「情報処理心理学実習 B」に分かれました.

1.1. 到達目標

前期:MATLAB の基礎を理解し,基本的なプログラムを作成することができる.

後期:認知科学領域での基本的な情報処理モデルを理解し, MATLAB を使ってモデルを実装することができる.

1.2. 講義概要

受講者はプログラミング経験のない初心者であると仮定して授業を進める. 前期には MATLAB の基礎を習得する. MATLAB の入門テキスト(『MATLABプログラミング入門』)を1冊マスターする. テキストに掲載されているプログラムをひとつひとつ入力しながら, MATLAB の理解を深めていく. 前期のまとめとして,巡回セールスマン問題を解くプログラムなど, やや難しいプログラムに取り組む.まとめの課題は最終回で説明し, プログラムの完成はレポート課題とする.

後期には,テキスト(Computational Modeling in Cognition) にそって認知科学領域での基本的な情報処理モデルを学びながら, それを MATLAB で実装する. テキストは英語で書かれているし,内容はやや難しいが, 日本語訳を提示するなどの学習支援を行うのでチャレンジしてほしい.

1.3. 教科書

前期の教科書:上坂吉則 (2011). MATLABプログラミング入門(改訂版) 牧野書店

後期の教科書:Lewandowsky, S., & Farrell, S. (2011). Computational modeling in cognition. SAGE Publications.

1.4. 成績評価方法・基準

試験は実施しない. 最終レポートを含む,実習課題への取り組みに基づいて成績評価を行う(100%). 到達目標を達成するためには,多くの実習課題に取り組む必要がある. 学習した範囲で,MATLAB で書かれたプログラムが理解できるか, MATLAB のプログラムを書けるかを評価する. 出席が授業回数の 2/3 に満たない場合は,単位を認定できない.

1.5. 履修上の留意点

MATLAB の習得のためには, 授業以外にもプログラミングに時間を費やす必要がある. これはかなり大変かもしれないが, 自分のスキルが上がるにつれ, プログラミングはどんどん楽しくなっていく. 授業開始の時点では,プログラミング経験は必要ない. 最初は何の意味があるのかわからない練習も多いが, しだいに面白くなっていくはずである.

予習では,授業で学習予定の教科書の範囲に目を通し,学習内容を把握しておく. 復習では,授業で学習したことを整理し,MATLAB プログラミングの練習をする.

後期には,認知心理学と統計学に密接に関連した内容を扱うので, これらの授業を履修しておくと,理解の助けとなる.

2. MATLAB を始める

MATLAB を用いた実習を始めるにあたり,起動方法と, 実習用ディレクトリの作成方法を説明します. その後,簡単なプログラムを実行します. テキスト『MATLABプログラミング入門(改訂版)』の, 第1章1節の内容に相当します. 以下のリンクをクリックしてください.

MATLAB の起動と,実習用ディレクトリの作成

プログラムを実行する

3. 前期教科書の補足説明

前期に使用する教科書『MATLAB プログラミング入門』での記述を補足します. 補足説明のウェブページを章ごとに作成しています.